モバイバル・コード

「何か、理由がある。何か、なにか理由があるんだ」


「ちょっと……理由があるなんて、当たり前の事言わないでよ……」


「コイツらは、モバイバルの管理事務局の人間は、オレ達の当たり前を突き崩す、政府の方針を実行する人間達だぞ……?」


「……龍ちゃん、何かが分からないなら、それは雷也にも聞こう!」


 愛梨が高速でメッセージを打つ間に、オレはもっともっと考える。深く、考える。


 そもそも、この迷路で、目立った物といえば『白い壁』と『スピーカー』、それに『妨害装置』と思わしい物しかない。


 スピーカーに番号でも振ってあって、それを辿っていくとして、何がある?それが『モバイバル』なのか?


 違う。それは『モバイバル』じゃない。


 携帯だ、携帯を使うんだ。もっと絞って考えろ。


 汗が、頬を伝って白い床に落ちる。


「はい、ハンカチ。男の子ってハンカチ持って歩かないよね」