モバイバル・コード

「愛梨、雷也が言っている通り……マッピングしているか?」


「もちろんっ!ただ龍ちゃんの後をぼーっと歩いてるわけじゃないもん」


 よし、見よう。


 携帯に描いた、絵心の無い愛梨の図。大雑把な性格が表れている。オレはこの半分も書けないが。


 なるほど、今南側に……戻っている形なのか。多分、しばらくは右には曲らないだろう。右に曲れば、元のスタート地点の方面へと向かう事になる。


 曲がり角の配置を見ていると、ランダムなようだが、大体1~3mも無いくらいで、曲がり角が設置してあるのかもしれない。それも怪しいか。壁が分厚いのは、本当に気になる。


 通常の迷路と圧倒的に違うのは、薄板一枚で仕切られているような造りをしていない所だろう。


 トンネルの中を進むようなものだ。しかし、わざわざ白一色に塗りたくるなんて、とんでもない作業じゃなかったのか。


「龍ちゃん、すっごく息苦しい……」


「オレも同じだ……おそらく、そろそろ行き止まりになるよな」


 床と壁と天井の境目もろくに分からない、この『迷宮』の初めての行き止まりにぶつかる。


 愛梨が正面の壁に分かりやすいように、『レ』と大きく印をつけた。


「全然方向感覚が無いな……愛梨、『コンパス』はどうだ」