モバイバル・コード

 流動的に動くのがオレの得意分野だとしたら、雷也は正反対にどっしりと構えて考える事が多い。


 この文章に、用心深い性格が表れていた。雷也も本気で攻略しようという気持ちがひしひしと伝わってくる。


 特筆すべきは『目的』をハッキリさせる所だと思う。確かに、ルールには『部屋を出てください』と書いてあるが何が起きるかなんて全然書いてはいない。


 巨大迷路を脱出しろ、なんて書いてもいない以上は、途中に『何か』あると考えた方がいい。だけど、雷也は『無い』と言っている。


 オレ達の意識を集中させたい意図があるのだろう。一丸となって、破るつもりだ。


「愛梨、大丈夫だって雷也に送ってもらえるか」


「うん、促すように送るね」


 返信はすぐに届いた。もう一度頭を整理しながら読む事にしよう。


──【 メ ッ セ ー ジ 】──
■『L1ar4584』より■

【分かった、続きを書くね。そういう理由から目的は一つ……『この広い迷路を脱出しろ』で良いと思う。

そうなると、次に考える事は当然、どうやって広い迷路を脱出するのか。とりあえず『壁』に手をつけて歩いてみて欲しい。ここで、ルールからもう一つ読み取れるんだ。

『チェックポイント』だ。

壁に手をついて歩く方法は、龍ちゃんも知ってると思うけど、必ず『ゴール』まで辿りつける。一筆書きの要領で、クリア出来るからね。

歩けば必ずチェックポイントの1は通過するはず。

その時間が例えば『1時間』だとしたら、早歩きで残り『9時間』繰り返せば全10箇所のチェックポイントを余裕を持ってクリア出来ることになるよね。

龍ちゃんが壁をついて、愛梨が簡単でいいから道を『マッピング』して欲しい。

残り時間は11時間10分。もちろん、僕も『仕掛け』は考えてるし、今から行動する。

二人に今伝えてもいいけど、プレッシャーでいっぱいいっぱいになっていると思うから、後でもう一度話そう】
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