モバイバル・コード

「これ、今の位置がこの分かれ道の前だよね?」


「そうだな、後ろの小部屋まで戻ろう」


 二人で小部屋の中央に立つ。入ってきた側の端にスピーカーが設置してある事に、今気づいた。


「とりあえず、この『迷路』はブラブラ探してゴールが見つかりました、絶対にそうじゃない。まず、これで一つだけ分かる。

この最初の『左右』の道、どっちを進んでも、正解の道ならどこかで一度繋がるはずだ。そうじゃないと……『初っ端間違えました、はい負け』そんな理不尽なゲームな訳はない」


「龍ちゃん、なんか凄い……閃いてるんだね」


「そんなんじゃない。ただ、話している内に色々と考えが浮かんでくるだけだ。愛梨も遠慮なく、口挟んで」


 オレ達が一瞬会話を止めると、漂う静寂が身体にズシりと重みを与える。話をしていないと怖くなってくる。


「だから、今オレ達3人がするべき事は、まず……『方針を持って歩く』事だと思うんだ」


「『方針』って……作戦って意味だよね。確かに、いくら印をつけて歩いても……きっとここは広いよね…うんと、広い……」


「そう、広い。だから、今一番しては行けない事は……ただ歩く事。これだけは絶対にダメだ。そして、今、今まさに愛梨とこうして話をしてて、オレは気づいた」


「何に気づいたの?」