モバイバル・コード

 とりあえず、雷也への『結果報告』を愛梨に頼み、まずどうするのか考えなければ……。


 だが、その前に動悸(どうき)が止まらない。心臓がバクバク言っているのが、自分でも分かる。愛梨だって同じだろう。


「龍ちゃん、今雷也に打ったよ……どうするの……ってごめん、あたしも一緒に考えないと……」


「愛梨、とりあえず雷也が言ってくる事は分かる。『落ち着け』だ。焦って一歩を踏み出したら、絶対にまずい。もちろん、停滞しているのもまずいだろうけど……」


 愛梨は怯えた表情でオレの目を見て、ゆっくりと頷いた。


 ダメだ、一人で考えても仕方ない。話しながらじゃないと、無言はまずい。


「愛梨、愛梨に話しながら自分でも頭を整理する。いいな、雷也も今頭を働かせてるはずだけど、オレ達は現場のこの空気を感じながら、雷也より近い所で考えられる。

その利点は、二人が『考え』を合わせられる事なんだ。雷也やオレや、愛梨だけが、一人でどうこう考えて結論は出ない」


「うん、分かった……あたし、怖いけど一生懸命……聞くし、考える」


「いいか、まず雷也が作戦を練る前に明らかな事は一つだけ分かってる」


──『ブブブーンブブブーン』


 安心できるメッセージに、一度会話が中断された。