モバイバル・コード

「そういえば、龍一。雷也にこの前電話した時に聞いたんだが、携帯持ってないんだろ?

このご時勢に携帯電話も持たない高校生なんてお前くらいだろ、まだ買ってないのか?」


 オレはポケットから携帯を取り出して兄貴へ見せる。


「バイト先の所長さんに誕生日プレゼントって事で貰ったんだ。自分じゃ生活だけで手一杯だし、買えなかったから」


「なるほどね、そいつはめでたいめでたい。それじゃ俺も努力家の龍一君に良い物をあげようかな」


 そういって慶兄はタバコの箱を机に置いて赤いジッポライターを取り出す。


 少し考えた表情をして、切り出した。



「1000万やるよ」


「えっ? 1000万?」


「ええっ?!」


「はっ?」




「んっ?」


3人の驚きが交錯した。


「今日は龍の誕生日もかねて3人を呼んだんだ。昔から俺のプレゼントって豪華だったろ? エロ本の詰め合わせにアダルトチックなDVD10枚。それに熟女物の……」


「慶兄、エロは今良いからエロは! 1000万って何だよ?」