モバイバル・コード

「雷也、とりあえず、コイツだろ。予備の電池は3人で1つずつ、ちゃんと分けた。何が起きるか分からないけど、頼りにしてるから」


 携帯を見せつけ雷也の顔色を伺う。相変わらずのクールな表情だが、少しおでこが汗ばんでいた。この状況なら誰でもそうなるだろう。


「二人とも、今日は本気で……潰しにいくよ。『マモル』には負けない、絶対」


「雷也っ!!」


「愛梨、すぐに会えるから、大丈夫だ」


 愛梨が駆け寄ろうとするが、オレが肩を抑えて止めた。


 通路の奥は右に曲がるようになっているらしい。ナツキさんの後に続いて雷也がオレ達へ笑顔を見せた後、右に消えた。


 通路の奥の照明は少しだけ暗いが、色が白い為に横に通路があるなんて分からない。


 通路じゃなくて、小さいトンネルだ。ダンジョンと言った方が早そうだ。


「行っちゃったな……愛梨」


 無言の愛梨をチラりと見ると、涙を堪えているのが分かった。雷也が消えて悲しいから、じゃない……な。