モバイバル・コード

 その時、長身のレイが重たい口を開いた。


「……お前達3人共、これに電池を切り替えろ。出来るか?」


──『カチャ』


 レイは手に下げている革のハードケースを開く。

 
 中から電池パックを3つとピンセット、吸盤、ヘラを取り出した。オレ達の機種に全部合っているのか?


「電源、切ってもいいんですか」


「構わない。早くしろ。隣ももう準備に入っている」


 そういえば観音扉が閉まっている。この男が一人で閉めたのか。


「んもう、電源切るなって散々言ってたのに、今度は切って電池パック入れ替えろとか勝手言っちゃって……どうやって開けるんだっけ」


 愛梨の文句を聞きながらカバーを開こうとするが、開かない。


「雷也、これ難しいんだよな?」


「そうだね、僕は何回も開いてるからわかるけど……」


「ちっ、3人とも貸せ。アッチ側の交換もしないとならない、急ぐ」


 会話に割って入りながらレイはオレと愛梨の携帯を奪い取った。雷也も自然とレイに手渡す。