モバイバル・コード

「龍ちゃん、なんだか変なところだよね…」


 愛梨がオレの服の裾を掴んできた。最近はこの形ばかりだ。


「新しい……。作られて、間もない感じがする」


 雷也も同意見を述べた。ナツキさんがオレ達を先導する。


「3人とも、この中に入ってくれるかしら?」


 非常扉の中は薄暗い通路。照明は裸電球が差してあるだけの簡素なものだった。それも、横幅も広くはない。コンクリートで固められた壁の間を、ナツキさんを先頭にして歩いていく




──『グォン…ブォン…』


「雷也、何か壁の中から変な音がしないか?」


「下水道関係かと思うんだけど…重低音が聞こえるね」


 通路の奥まで進むと、右に曲がった。少し歩くと……明るい部屋に出るのが、通路からでもハッキリと見えた。


 通路を……ぬけ……た……。