モバイバル・コード

「だから、今は回線が遅いから地図がなかなか表示されないってことだね。でもおかしいな、上野エリアは都内でも回線工事が早いエリアだと思ったんだけどな」


「まぁ、なんでもいいよ。じゃあ今は地図が見れないって事だろ?」


「うーん、見えたんだけど……パッパと切り替わらないから遅いかな……」


 結局、ダメって事か。携帯も思った通りにはいかないという事だ。


「オレも、場所を知れば何かしら有利になると思ったけど……それより、落ち着こうぜ。今から、始まるんだから」

 
──その時


 車が、坂道を下った事に気づいた。


「雷也も愛梨も……気づいたか?今まで乗ってて、どこか登った気配はあったか?」


「無いよね、でも降ってる」


 地下だ。車で地下に入っている。


 車は3分ほど降り続け、右に大回りをしているように感じた。身体にかかるわずかな重力を頼りに判断する。