モバイバル・コード

「龍ちゃん、ガラスが……こんなの、あるの?」


 愛梨の声で気づいた、外は夜だ。暗いのは分かるが一切何も写っていない。雷也は一度見た事は通用しないかのような、冷静な対応だった。


「おそらくマジックミラーの要領で、何か窓に細工をしていると思う。あくまでもどこに行くのか僕達には見せないつもりだろうね」


 ずいぶんな、念の入れようだ。


 周りの視界が遮られた中で、車は進んでいた。オレ達の話声は聞こえているだろうから、少し小声で雷也と会話をする。


「さっき、最後に見た景色はどこだ…?」


「僕が見たのは……『靖国通り』を走っているというところまでかな……アレから5分は経ってるね」


「オレも、その認識だ。場所がどこかなんて重要な要素になりそうもないけど、少しでも仕入れておきたい」


「ねぇ、あたし面白いこと思いついたんだけど」


 愛梨がそっと混ざってきた。


「なんだよ、何を?」


「じゃーん……はい、コレ」