モバイバル・コード

「親指を挟みながら、手首を曲げて装着したんだよ、少しスペースを作って。バレないかと思ったけど、バレたみたいだね」


 ずる賢いな。段々と雷也も場慣れしてきているように、思える。


「どの道、後でチェックされたらバレるだろ?車から降りて、さ」


「龍ちゃんも分かるでしょ…?これで上手く行くようだったら管理体制がずさんだという事。敵の事を知る為には、何か『揺さぶり』をかけなければいけないよね……龍ちゃんこそやると思ったのに、普通につけたんだね」


 予想外の答えにオレは驚きを隠せなかった。


 管理体制の見極めという事、か。確かに、色々と攻める方法はありそうだ。


 少しだけ、面白くなってきた。怒られない程度に火遊びをしようというのは、オレと雷也の間では共通項の一つだ。


 愛梨の不安そうな瞳を察知して、雷也は作り笑いで応えた。オレも、応じた。
 

「……お前達、ここからは隠匿情報となる。しばらく待っていろ」


──『シュッ』


 例のシャッターが、閉まった。竜二がオレのライター攻撃を防いだ、あの例の前後を拒む銀色のシャッター。