モバイバル・コード

 イルミナスタワー横の細道に、例の黒塗りのワゴン車が停まっていた。少ないビルの光量でも、自分達が死にかけたあの車の形は忘れない。


「龍ちゃん、行こう」


 雷也、愛梨が向かい、オレも向かう。


「龍一」


 後ろから竜二が呼び止めてきた。この渋い声は独特だろう。


「……何?時間だって、あんたが言ったんでしょ」


「うるせぇ。龍一、お前、絶対に勝て」


「……なんで?オレは勝って2億で万歳、そんな簡単には終わらせない。都合悪くなるのは、そっちだろう」


「お前の反逆なんて、俺が右手一本で塞いでやる。いいか、勝て。その先にお前が何を見るのか、俺も見たくなったんだよ」


「知らねぇよ。勝ったらぶん殴るから覚悟しておいて下さい」


 吐き捨てて車に乗り込む。後ろからレイというあの長身の男もついてきた。