モバイバル・コード

 コスプレ店員さんに挨拶をされ、店を出た。16時半を過ぎた空は、確実に昨日より日の光が落ちるのが早くなっていた。


 ビル風が冷たく、顔に当たる。都会の排気ガスを避けられないように、携帯電話の電波も避けられない。


 『排気ガス』、『電波』


 有害な両者の共通点は『利便性』の産物という事。


 人は、本当に向上しているのだろうか。退化しているようにしか思えない時が、良くあるんだ。


 ガキの頭だから、矛盾なんて感じないで……オレも携帯で遊んでいた方がずっと楽かもしれない。


 このビルもそう。存在感だけはピカイチの、この『イルミナスタワー』もそうだ。

 
 この時間は人手賑わいを見せている。吸い込まれていくように、多くの人間が1階の展示会場や他のフロアに居るのだろう。


 40階建ての高層ビルの屋上に、特別プラネタリウムがあるなんて。


 初めて、政府のクソ情報省に感謝しなければ。国民の税金で良い物作ってくれたと思う。
 

「夜とは違ってまだ人が居るんだねー。オフィスでもあって観光スポットであるってなんだか凄い所だよね、ここ」