モバイバル・コード

 ……って、そんなミニスカートでオレ達の前を駆け上がらないでくれ。


 クソ、走らないと閉まる。


 オレと雷也も続いて電車に駆け込んだ。

 
 禁止行為だけどやっぱりコレだけはやっちゃうんだよな。


 午後10時の常磐線車内は人もまばらだった。


 3人で横一列に座り、オレはカド席に座り頭を後ろに預けた。


「やっぱり……会いたくないな。僕は」


 慶兄からの電話を切ってすぐに、雷也へ電話した時にも断られた。
 

 ラチがあかない。


 そう判断したオレは先に愛梨を誘い、二人で雷也を誘ったんだ。


 それでようやく重い腰をあげたってところ。


「……二人ともさ、分かってるだろ? 僕の……兄貴の才能に嫉妬する気持ち。別に隠すつもりもないけど。

たださ、完璧な兄貴が居ることがどれだけ自分の人生のプレッシャーになっているのか……」


 薄めがちになり携帯を見つめる雷也。


 落ち込むとすぐに下を向くのはガキの頃からの癖だった。