モバイバル・コード

「そ、そういうこと。わざわざ『戦略』君を『指名』するって、まずおかしいよね。初対面なら挨拶とかするのが普通だし。まぁ、こういった突然指名を受けて戦う事は、無くは無いけど、そこまでは無いといった所なんだ。

今、この……ひらがなメッセージの主のプロフィールを見てるんだけど、『マモル』と……何回も戦っているみたいだね。ランキングもパっとしないのに、よく『マモル』が相手にしてるよ」


 何故だろう。


 事が、予測が、バシっとはまるととてつもない快感になる。相手が鼻持ちならないヤツなら喜びはひとしおだ。


「いよいよ、だな。もう戦ってるんだろ?」


 雷也は頷きながら携帯を操作し始めた。愛梨も、同じだ。二人共、色々調べているのだろう。


 オレは…何も出来ない。こういう時の無力さは、申し訳ない気持ちになる。


 その代わり、頭を使おうか。足りない知恵を振り絞って『マモル』の思考回路に、一言植えつけてやる。


──【疑心暗鬼】


 プライドが高い、絶対強者ほどハマれば捉われる。疑心暗鬼の渦に、飲み込まれるんだ。