モバイバル・コード

「龍一、寂しいけど……わたし我慢する」


 黙って頷いて、応える。時に言葉は不必要な瞬間がある。雷也と愛梨も少し寂しい表情なのは……これからの事を考えているからだろう。


 葵の姿が消えるまで、オレ達は改札前に立っていた。最後にこちらへ振り返り、胸元で小さく手を振ってくれた。


「龍ちゃん、葵ちゃんが居ないと寂しそう」


 愛梨がからかってくるのを見て、雷也もつられて笑っていた。


「そんな事無いけど……まぁ、葵の事は気になってるから……。家とか意外と大変そうじゃん?そういえば愛梨は家まで行ったんだよな。オレはタクシーの中で寝てたけど」


 オレ達は駅前を通り過ぎて電気街へと向かう。


「うん、大きなお家だったよ、でも暗くてよく見えなかったけど」


 なるほど、そんなにいい家なんだ。まぁ見た目からしてお嬢様だし、なんでオレの事が好きになったのか未だにわからない。


 でも、嬉しい。やっぱり、葵のコト…気になる。もっと葵の事が知りたい。この気持ちは、好きということなのかな。