モバイバル・コード

 めそめそしても、仕方ない。最後の別れなんて、思ったら絶対にダメだ。生きて葵と遊ぶ。


 秋葉原電気街口から中央改札へ見送るって行こう。


「葵、じゃあまた連絡する。携帯の事で困ったら葵に聞くよ。雷也も愛梨もOKだって言ってるし」


「ううん……龍一からの連絡、楽しみに…してるね」


 最後じゃない、最後じゃない、最後じゃない。


 必ず、もう一度葵に会う。生きる目的がある人間は、どこまでも強いはず。

 
 本の中の、過去の偉人が教えてくれた。大義に生きる事の大切さ。オレは色々な事に流されて、忙しいだけの日々だったが……もうそれはやめよう。年齢なんて関係ないと愛梨が言っていた通りだ。


 みんなの為に、生きなきゃ。


──『ギュッ』


 胸で感じる、葵の感触。携帯天使の感触もこれで、しばらくは無くなるのか。