モバイバル・コード

 『モバイバル』を経由する事が癪(しゃく)だが、人は急に成長するわけじゃない。場数を踏んだり、頭で考えたり。繰り返さなければ、成長なんて絶対しない。


 『マモル』に唯一、オレ達が優る点は『心、気持ち』。この一点じゃないのか……。


 携帯ジャンキーに負けてたまるか。それに、可能性は0じゃない。絶対。携帯ゲームじゃない以上、風穴の一発や二発は空くだろう。


「龍ちゃん、良い本見つかった?」


 集中して考えていたので雷也の気配に気づかなかった。


「一応、本は見てるけど……勝ちスジが少し見えてきたかもしれない」


 雷也は少しだけ優しい目でオレを見つめた。多分、言わなくても通じてる。


「愛梨達来たよ。ファッション誌を読んでるみたい……。何か思いついたんだね?」


 オレはちょっぴりはにかむ。雷也にはイタズラ顔をした方が、一発で分かるってもんだ。


「とりあえず行くか」


「うん、行こう」


 ギャンブルコーナーの書棚から離れ、レジ前のファッション誌コーナーへ通り抜ける。