モバイバル・コード

「あああ、御意御意!分かり申した分かり申した!なんて送るんでありんす」


 いちいち面倒なリアクションだが、こういうヤツは約束を破らない。雷也が『生粋のオタク』は律儀で良いヤツが多いと言っていた。実際に高校に、こういうヤツはいっぱいいるが、ここまで凄いのは居ないか。


「アンタ、『モバイバル』やってる? やってるよね、普通。ちょっと携帯で……そう、コイツ。コイツに一言メッセージ送ってくれるか?」


「な、なんて送れば良いでござるか」


───【必ず、負ける】


 それだけで良い。きっと……何かに効いて来る。効かせるように、仕向けてやる。


「ありがとう。それでいい、後はどんな返事着ても絶対に無視してくれるか?」


 オタク1号はうんうんと首を大きく縦に振る。口が堅そうな人でちょっと安心した。オレは約束の報酬を渡して、ついでに質問もしてみる。


「あのさ、聞きたいんだけど『モバイバル』ってサイト凄い人気じゃん?それと賞金2億円の話とかあんたは興味ないの?」


 オタク1号はお金を大事そうにジップの財布に仕舞うと、どもりながら話し始めた。