ユウマにもナツキにも悪いが、職場を失っても優秀なんだから食べていけるだろう。


 許した訳じゃない。


 直接の責任はお前達に無くとも、こんなふざけたゲームはぶっ潰す。


 オレの気持ちを知ってか知らずか、雷也がまとめてきた。


「頑張るよ。相手が強いのも知ってる。だけど、チームワークなら僕達は負けるつもりはないよ。勝って愛梨とのデート楽しんでね。ありがとう。行こう、二人とも」


 雷也は先に階段に向かい始めた。


「そうだね……あたし、ユウマくんならデートしてもいいかな……本当に優しくしてくれてありがとっ!! 絶対にまた会おうねっ!」



──『ギュッ』



 愛梨はユウマの右手を両手で優しく包み込む。サービス精神が旺盛で良い事だが、やりすぎだ。


 ユウマは一丁前に顔を赤くしていた……。オレも、葵の前だとこうなのかな。反面教師にしないといけない。



「ああああ、う、うん。オーケー! キュートな愛梨ちゃんとそのお供も頑張ってよ!」



 何がお供だ。こっちは孫悟空と沙悟浄じゃないんだぞ。


 オレと愛梨も、雷也に続いて上野の中央改札前に戻った。