モバイバル・コード

 ふと背後に気配を感じた。長身がオレの後ろからスっと現れ、ユウマに事情報告をした。


「……連れて来た。後は頼む」


「レイさん、待ってくださいよ。どうなってるんすか? 今日って『リサーチ』で出張って言ってませんでした?」


「……事情が変わった。それだけだ」


 レイと呼ばれた男は愛梨と雷也とユウマの脇を通り過ぎ、階段を降りていく。


 気になる。『リサーチ』って……なんだ?管理事務局をぶっ潰す『ヒント』でも貰えないかな……。


 どっかに……口が軽そうな自称『天才』がいたな。


 試合が終わって30分も経っていないが、今このガキを逃がしたら、次はなかなか会えない気がする。

 
 正直、オレも雷也も愛梨も3人共安堵しきっている。


 疲れもある、だがチャンスがいつ来るかなんてオレ達の状況を考えてはくれない。本当なら今すぐ風呂でも入って寝たい気分だ。


 携帯でメッセージはバレる。ユウマの出方次第で対応を変えよう。


 オレが思慮を張り巡らされてる時、ユウマがポケットから充電器を新たに3つ渡してくる。

 
 オレは、自然と愛梨の右隣に立った。


「はい、コレ。ボクからのお恵み品ね。勝っておめでとう。結果の判断は僕達の仕事じゃないからキミ達の『裏技』攻略が通るか通らないか凄く不安だったよ。そのキュートなコが心配でさ」


 オレは愛梨がユウマに厳しい目線を送ったのを見て、脇を軽くこづいた。バレないように。