闇の中にその存在感をハッキリと示す月と、その周りの星々をぼーっと見つめた。
疲労が、一気に身体に重力をかけた。
おそらく、愛梨も雷也も今は何も考えていないだろう。いや、何も考えたくないの間違いだ。
「うぉぉぉおおおお!! 勝った! 勝ったぞ!!」
日暮里駅の電車の上で、腹の底から声を出した。
なんだかんだでクリアだ……1回戦と同じようにわずか秒単位の戦いになったが、本当に……良かった。
「おい」
空を見ていると、下から声が聞こえてきた。電車の屋根で寝ころび、下をチラリと見ると、男が立っていた。
少し高いが、このまま飛び降りが出来そうだ。
「よっ、と」
──『ドンッ』
屋根から降りて男の顔を見つめる。少し見上げる形になるのは身長のせいだ。長身でスラリとしている。
スーツにシワ一つない。物事に細かそうな印象。真ん中分けされていはいるが、ヘアアイロンか何かで固められているように髪の毛は風に揺るがない。
無表情な仕草はまるで能面のようだ。
「……反対ホームへ行き上野に戻れ…。」
それだけ伝えると、男は回れ右をして滑るようになめらかに、ホームの階段を登っていく。
疲労が、一気に身体に重力をかけた。
おそらく、愛梨も雷也も今は何も考えていないだろう。いや、何も考えたくないの間違いだ。
「うぉぉぉおおおお!! 勝った! 勝ったぞ!!」
日暮里駅の電車の上で、腹の底から声を出した。
なんだかんだでクリアだ……1回戦と同じようにわずか秒単位の戦いになったが、本当に……良かった。
「おい」
空を見ていると、下から声が聞こえてきた。電車の屋根で寝ころび、下をチラリと見ると、男が立っていた。
少し高いが、このまま飛び降りが出来そうだ。
「よっ、と」
──『ドンッ』
屋根から降りて男の顔を見つめる。少し見上げる形になるのは身長のせいだ。長身でスラリとしている。
スーツにシワ一つない。物事に細かそうな印象。真ん中分けされていはいるが、ヘアアイロンか何かで固められているように髪の毛は風に揺るがない。
無表情な仕草はまるで能面のようだ。
「……反対ホームへ行き上野に戻れ…。」
それだけ伝えると、男は回れ右をして滑るようになめらかに、ホームの階段を登っていく。
