モバイバル・コード

 色々と、積み重ねてここまで来れた。


 雷也からメッセージが届く。オレと愛梨へ向けての勝利宣言だろう。



【まだ油断は出来ないけど、おそらくコレで正解だと思う。『スローモーション撮影』の機能に気づけるかどうか。間違いなく愛梨のお手柄だよ、本当にありがとう。

そろそろ新宿で撮影出来るはずだから、二人とも練習して。暗闇だけど、なんとなくは撮れると思う】



 確かに、もう時間だ。こんなくだらない茶番も。


 これを勝ち抜けば…後は『マモル』を潰すだけ。


 それだけ。オレ達のくだらないゲームもこれで終わる。慶兄の無念をどうやって晴らすのかは一度置いておこう。


 今は生還しなければ、それが一番の課題だ。
 

 時刻は午前4時30分。窓を開けて、愛梨の乗っている外回り電車の明かりを見えてくる。


 携帯のカメラ機能を『スローモーション』に切り替え、撮影。


 暗闇に走る電車がまるで巨大な蛇のようだ。蛇腹の撮影、今まさにオレの目の前の電車が通る。窓を開けて、手を伸ばした。

 
 すれ違う時間は10秒も無い。一瞬で撮影が終わり、オレはすぐに動画を確認する。おそらく愛梨も同じ行動をしているだろう。