モバイバル・コード

 携帯の画面は暗闇の中を一瞬で通り過ぎる電車を映している。

 
 何か閃かないか……何か……。暗闇でも関係ない、方法。


 高速でのすれ違いでも、お互いの位置が分かる方法。それも、明確に。


 浮かばない……しかし、一つだけ考えていることを雷也に送る。



【音 で判別できない か 音とかあぷりでなにかないか】



 今考えられるのはこれだけ、視覚じゃダメなら聴覚。

 
 とにかく、一つでも多く武器を作らなければならない。


 その間に愛梨からメッセージが届いた。



【ねぇ、雷也……さっきスローモーションで解析するとかうんぬんって言ってたけど、携帯電話の動画機能で『スローモーション撮影』ってついてない?】



 土壇場で、値千金のサヨナラ満塁ホームランじゃないのか?


 雷也のメッセージの興奮度合いが、オレ達三人に希望の光を見出した。



【その発想、そうだ!! ライブカメラの映像ばかりスローモーションにしてたけど、そうだよ、愛梨も龍ちゃんも、携帯は新型に近いから『スローモーション撮影機能』あるよね…!?

龍ちゃん、分かる!?】


 メッセージを読んですぐにカメラ機能を隅々まで確認する。見ても分からないから、色々と押してみる。


 画面の右上に『スローモーション中』と表示された。