モバイバル・コード

 高速で移動する自分のマーカーを見て、一つだけ雷也の手助けになれると確信をした。



【雷也 地図アプリをひらいたら いどうして、るのがわかた しゅくしゃくといどう速度で電車のことわからないか】



 携帯の明かりは、きっとオレの暗い表情を照らしているのだろう。


 だけど、この事実が少しだけでもプラスに働いてくれたら嬉しい。


 親友からのメッセージが届いた。



【そうか、分かった。『位置情報アプリ』を入れる、このURLへアクセスしてみんなインストールして。龍ちゃん、出来そう?詳細なやり方書くから、説明通りお願い。まず……】



 オレは先生の指示通りにメッセージを読み、アプリケーションをセットした。同時に愛梨から連絡が届く。



【これで三人でどこに居るのか位置を共有できるってこと?ライブカメラの映像とこの位置情報で確実にすれ違う場所を探すって……事かな】



 なにかしらのヒントになればいい。

 
 オレは立ち上げたアプリを見た。円の中に三人の距離『m単位』で、方角がしっかりと記載されている。


 なるほど、コレは便利だ。 なんとなく言い出して見たのが良かったのかもしれない。


 現在時刻は『3時25分』


 オレと愛梨の位置が、近くなっている。次は新宿方面ですれ違い。

 
 どうする、とりあえず大まかな通過時刻だけは分かるようになった、だが……だが無理だ、このままでは『核心』へと辿り着かない。

 
 オレ達の座席をすれ違う一瞬で、どうしろと……。


 もう、気づいているんだ。一つの方法には……おそらく、愛梨も雷也も気づいている。


──『カメラ機能』


 カメラ機能で撮影する……電車がすれ違う瞬間を。