モバイバル・コード

───『パチパチパチパチ』


 部屋の中に誰か……いたのか。

 
 書棚の奥に最初から誰かいたようだ。



「いやぁ、皆さん素晴らしいチームワーク。凄いねっ、はい、イェイッ」



 スッと姿を見せたと同時に、オレに近づいた。


 コブシを突きつけてくる。



──『ゴンッ』



 オレも挨拶代わりに突き合わせてしまう。


「あんた、ずっと書棚のうしろ」


「ハイハイ、もうゲーム始まるから。もう会話は良いからさっさとやろうよ。

ボクは『ユウマ』っていうんだ。こう見えても『モバイバル管理事務局員』なんだから、チャッチャといくよ」


 話を被せるように繰り出した男。


 青い柄のバンダナをハチマキ状に折りたたんで頭に巻いている。


 金髪の髪の毛が、天に向かっている。角のようなツンツン頭。

 
 どう見ても『ある違和感』が拭えない。オレが突っ込もうとすると、愛梨が先に尋ねる。


「ちょっと、ちょっと待ってよ!! あなたが管理事務局員なの? どう見てもあたし達と歳変わらないように見えるんだけど!?」


 ユウマを見て、一目でわかる。


 コイツは女にモテるタイプだ。

 
 どこかあどけない表情を残しながら、均整の整った目鼻口。


 一番のチャームポイントは唇だろう。キレイな形をしていて、愛梨辺りが好きそうな印象だ。


 その唇が素早く動いた。