モバイバル・コード

 駅員が説明をすると、男達はホームの中に……上野駅の『3番線』『4番線』ホームへと、列を為して歩いていった。
 

「なぁ、コレ……そういう事だよな……?」


「そういう事だね……」


「まさか……あたし達も工事に参加しろってこと……?」


 たまに、この女の子の頭の中身をパカっと割って、覗いてみたくなる。


「そ、工事に参加しろってこと。ちょっと早く来て正解だったな」


 オレと雷也は『駅員』に近づいていく。


 30歳前後の好青年と言った印象だ。


 さかわやかな笑顔で乗客達へ状況説明をしていたが、オレ達の顔を見るやいなや、鋭い目つきへと変わった。


「……お早いご到着のようで」


 そう言うと、男は帽子を被りなおした。やはり……駅員なんかじゃない。


「では隣の職員の控え室にてお待ち下さい。そこの……灰色の扉がそうです。中にイスが3つ置いていますので、開始時刻までそちらに座ってお待ち下さい。失礼」


 男が示したのは、駅員しか入れないような関係者以外立ち入り禁止の場所だ。


──『ガチャ』


 雷也がドアを開けると、中には書棚とファイルが置かれていて、部屋の中央にはパイプ椅子が3つ置かれていた。