モバイバル・コード

「……おい、放してやれ」


「はっ!!」


 オレと雷也の身体が自由になる。顔も痛いし、肩も痛い。


「……まったく……龍一、メガネ…雷也って言ったか? お前達二人、別に動画で撮影した所で『全く無意味』だっていうのも分かってるんだろ?」


 ここから先の竜二の返答は、オレと雷也も100%の予想はしていなかった。


 だが、オレと雷也は打ち合わせ通りの答えを竜二に伝える。


 70%、なんとかなるかもしれない答え。


「ああ、無意味だと思ってるよ。でも『仕掛ける事』に、意味があるとは思ってる。成功すれば御の字だし、失敗すれば保険はこうしてかけて置く。

竜二さんが最初から出てくるとは思わなかったけど、違う人でもここまですれば、あなたの耳に入るのは分かってたから。

だから失敗しても……多分問題ないと思った。1発殴られたのは余計だけどね」



「ははは!!いやぁ驚いた。そこまで読んでる……お前ら、俺の性格まで読んでるんだな。

それなら俺の負けだ。

ここで『どうして無意味じゃないんだ!証拠は上がってるんだぞ!』とあの時みたいに、調子に乗っていたらあの世行きだったぞ」


 大笑いをしているのは竜二だけだ。最後のセリフも冗談には聞こえない。

 
 隙があるように見えて、隙が全くない。コレはある種の才能なのかもしれないな。


 ナツキと呼ばれる女性や、他の奴らはピクりとも反応しない。


 後ろに居る二人は見えないが、同じ反応だろう。


「オレは竜二さんと遊びたかったんだよ」


──嘘9割、本音1割