モバイバル・コード

「何が多めに見てやっただよ。竜二さん、オレ達はサルじゃないんだよ。黙って指をくわえて大会に参加しろなんて事、出来るわけないじゃないか。

アンタも参加者なら絶対に何かを暴こうとするはずだ」


 竜二はタバコを携帯灰皿に入れ、箱からもう一本を取り出して火をつけた。


「ふぅ……そうだな。俺も同じことをするかもしれないな。ただ、お前達みたいな低脳でバレバレな手段は絶対に使わねぇよ」


 そういうと竜二は胸ポケットから小さな銀色の筒と……充電器を取り出した。


「あのなぁ、こっちは『プロ』だって何回言わせんだよ。仕事中は常に防弾チョッキはつけてるし、盗聴器用の探知機だった常備してる。

ましてお前らみたいな怪しい参加者から『秋葉原』なんていわれた時点で、俺は怪しんでたよ。神田からわざわざ移動してな」


 雷也は苦虫を潰した顔で竜二を見た。きっとオレも同じ顔をしているんだろう。


「まぁ、狙いは悪くない。ナツキはまんまとお前の『仮病』に騙されたようだしな」


 いつの間にか竜二の後ろに、あのショートカットの女が立っていた。


「ただ、やるなら3人で現れろって話だ。龍一、なんでお前だけあそこに立ってるんだよ。何かしてますよと言わんばかりじゃないか」


 竜二の威圧感が増してくるのが分かる。やっぱりペナルティは免(まぬが)れないな。


「龍一、メガネ。落とし前はつけてもらう。おい、やれ」


「はい」


 オレ達の背後に立っていた黒服の男達が、羽交い絞めにしてくる。


「お勘定は顔に5発、腹に20発だ。キッチリお礼してやれ」


 竜二は後ろを向いて車に戻ろうとする。


「やめろ!!! 離せ!!!」


 雷也が抵抗して暴れだした。

 
「うるせぇ!!」