モバイバル・コード

 奴らの帰り際を尾行していた雷也が、竜二達が乗る車を見つけて、ナンバーと車種を携帯に控えているはずだ。


 オレに小さく手を振ってタクシーへ来いと合図した。


 オレ達はタクシーに飛び乗って車を追う。


 冷え汗をパーカーの袖で拭いながら、雷也に尋ねる。


「バッチリ撮影できたんだよな?」


 雷也が目を輝かせた。


「バッチリだよ、思わぬ収穫もあった。龍ちゃんが持っていた小型バッテリーの盗聴器からも得たよ。奴らの会話は盗聴器で全部聞こえた。

動画は僕が撮っていた。奴らの車は例のあの『黒いワゴン車』だよ」


「それじゃ全部聞こえてたし、撮れてたんだな。まさか連中もここまでするとは思ってないだろう」


 雷也は運転手に、すぐに車の特徴を伝え、絶対に逃がさないように念を押した。


 わざわざ呼んだ高級タクシーの車種は高級セダンだ。


 普通のワゴン車なら撒(ま)かれる事はないだろう。


 ワゴン車は首都高に入り、都心環状線を走っている。


 オレ達のタクシーも後に続く。


 平日の首都高はバイパスの箇所で混み合うが、なんとか抜けて黒いワゴンを追う。


 黒いワゴンは霞が関で降りた。


 雷也……先を読んで……。


 まさか国会議事堂の地下が『モバイバル秘密基地』なんて言わないよな……?


「雷也、どう思う?」



 主語を伝えなくてもオレ達の間では、何のことか伝わる。