モバイバル・コード

 オレも驚いているが、愛梨の方が驚いた顔をしている。おいおい、雷也が乗ってどうするんだよ…何考えてるんだ?

 
 でもオレはあいつがこういう性格なのを知っている。


 霧島雷也という人間は……悪く言えば狡猾(こうかつ)、良く言えば遊び心がある人間なのだ。

 
 別にここで煽った所で何も損はしないと考えたからこそ、雷也は乗ったんだろうな。

 
 オレ達二人が携帯ばかり凝視しているのも、葵から見たらおかしい。自分の携帯を閉まって愛梨の携帯を見つめる。

 

──『ピピピピピピピ』


 ピンク色の携帯電話が高い声で鳴いた。


──【メ ッ セ ー ジ】──
■01_mamoru_13■
□CC:モバイバル本戦参加者全員□

【二人とも面白いこと言うね。いいよ、まとめて相手になってあげても。でも今は時間がないから無理だな。生きていたらまた勝負しよう】
─────────


 なんだか変な煽り合いが始まりそうだ。愛梨は少しだけ苦笑いを浮かべていた。


 オレはわざとらしくあくびをしてから話しかけた。


「しっかし眠いな。まだ着かないみたいだしなんか話しようぜ。オレ凄い疑問があるんだけど二人に質問していいかな?」


 葵も自分の携帯を操作するのをやめてオレの方を見た。


 二人の視線がオレに集まった所で、長年の疑問をぶつけてみようか。


「二人はどんな時に寂しくなる?よく言うじゃん、女って直ぐに不安定になるとか言うだろ?なんかオレってそこら辺の感情が欠落してるのか知らないけど……。

一生一人でも苦労しなそうな感じなんだよな。二人は違うだろ?」