モバイバル・コード

【わたしなんかまだまだだよ。もっと強い人いっぱいいるよ。】


「そんな事ないよ、葵ちゃん、僕だってゲームは強いんだよ。だけど葵ちゃんの方がずっと僕よりも上手だよ」


 葵は恥ずかしそうに、はにかんだ。


 ゲームが好きな女の子らしく、控えめな笑い方にオレはもっと……夢中になりそうだ。


 でも少しだけ表情にかげりが見えた気もした。


「まぁ、なんでもいいけどよ」


──『シャッシャカッ』


 オレは大きなアクビをしてシェイカーを振った。


 オレンジジュースとアップルジュースとミルクを少し混ぜた龍一特製ジュース、名づけて『オーロラの涙』だ。


「完成した、これがオレの最高のフルーツジュースだ。名前、知りたいか?」


 広いリビングにはオレの声だけがこだまする。


 3人はまだ雷也の携帯電話で何かをしている。


 派手に手を動かさない所を見ると、別のゲームなのかもしれないな。


「はぁ……。なんだか眠たくなってきたなぁ。んで、これ、飲みたい人」