モバイバル・コード

 ほら、やる気になってる。


 葵はこんなことでへこたれたりしない。見た目よりずっと強い芯がある女の子だ。


「じゃあ後は宜しく。ってこのカウンター面白いな」


 オレはカウンターキッチンの中に入り、シェーカーを取り出して冷蔵庫を開けた。


「なんだぁ、酒ばっかりか。さすがに酒は飲めないけど…オレンジジュースとリンゴジュー…」



──『ガタンッ』



「い、いい今どうやってやった!?もうほぼ勝ったぞ!やった、勝ったぞ!!」


「キャーーッ!! すっごい葵ちゃん!! 圧倒的だね!」



──『パンッ パンッ パンッ』



 ハイタッチ3連発。


 歓喜を3人で共有していた。


 よし、オレも両手を挙げてこの輪に加わろう。



「やったな!! 葵、雷也!お邪魔虫の愛梨も!! 勝った、勝ったぞ!! いぇーい!!」



──『パシッパシッパシッ』



 右手、右手、左手。


 3人はおざなりなタッチをして、また無言で携帯に集中した。