モバイバル・コード

「明日、旅行なのに打ち合わせしないと…でしょ? ミステリーツアーだって意気込んでた龍ちゃんが居ないとさ、面白みにかけるよねっ!! それで、どこ行くの?」


 雷也の顔色がおかしい、よく見ると汗が凄い。


「後で話す、雷也……『ゲーム』が難しいのか? 愛梨、これはアレだろ? クリアすると…何の『限定アイテム』がもらえるんだ?」


 愛梨は人差し指を口に当てて、右斜めを向いた。



 『今、考えています』



 ポージングしなくていい。黙って考えろ。


 葵がぽかんと愛梨を見つめているが、オレも同じ顔をしているだろうな。


「えっと……『時間のアイテム』がもらえるんだよ。持っていると有利なんだって」


 言葉を選んだか、よしよし。


「そうか、雷也もゲーマーだからな、負けたくないんだもんな。オレは何をすればいい?というか、もう最高の助っ人を連れて来たけどな」


「えっ?」


「誰!?」


 二人とも何を見ていたんだ。


「葵だよ、葵。携帯といったら『携帯天使』の力を借りるしかないだろ」


 オレは背中をぽんと叩いてやる。


 ビクっと葵がオレを見て困った顔をした。


「う、ううん…ううう……」


「ほら、龍ちゃんが変なプレッシャーをかけるから葵ちゃん怯えちゃってるじゃん」


 そうは見えないけどな…。


 葵はカウンター席に座る雷也の隣に座って、携帯電話を見つめた。