モバイバル・コード

 朝方、葵と泊まったラブホテルとはまた違う豪華さ。

 
 玄関の横に大きな壺がある。伊万里焼とかそこら辺の有名な壺なのだろうか。

 
 愛梨が枕を投げた位置もかなりおかしい。

 
 この部屋、何LDKなんだ?ちょっとしたダンスパーティなら出来そうだ。

 
 雷也はリビングのキッチンカウンターに座って、携帯をずっと見つめていた。


 オレと葵を一瞬だけ見て、また視線を携帯に戻した。


「雷也、さっきはすまなかった。オレもイラっとして言い過ぎた」


「もういいよ、それより愛梨はなんで龍ちゃん呼んだの?」


 どういう事だ? オレの力が必要なんじゃないのか?


「だって、もしかしたら使えるかもって…そもそも、明日は大事な日なのに3人揃わないとおかし……あっ!!」



 バカ、葵が居るんだぞ。


 オレは愛梨をきゅっと睨(にら)みつけた。


 葵は丁度部屋に合った西洋絵画を見ていたようで、会話に気づいていない様子だ。