モバイバル・コード

 しかし、携帯電話は凄い。


 『魔法のランプ』代わりにおじさんを召喚出来るんだ……。


 突然、葵がスゥッと小さく息を飲み込んだ。


 こうなると、ちょっとだけ長く話す予兆なんだ。


 出会ってわずか2日だけど……葵の事をドンドンと知る事が出来て、オレにはそれが嬉しかった。


「りゅう…いち、今かっこ……よかったな」



──『ギュッ』



 右腕の締め付けを強くしながら葵はエレベーターのボタンを押した。



──愛情7割、興奮3割



 違う、恋愛になると自分で恥ずかしさが出る。



──興奮8割、好き2割だ。



 愛梨以上に積極的な葵。

 
 振り回されるくらいが、オレには丁度いいのかもしれない。


 最上階のスウィートルーム。


 部屋に入るや否や、遠くから愛梨が投げた枕が飛んできた。


「くっついて入って来ないでよ! 龍ちゃんがウェルカムな雰囲気出してるから葵ちゃんがずっとくっついてるんでしょ、くっつき虫みたいに!!」


 葵は愛梨の攻勢に思わず腕を離した。

 
 オレのボーナスタイムはここで終わった。


「あー分かった分かったよ。じゃあ4人で仲良く輪になろう。なっ、輪になって踊ろう。喧嘩したし仲直りだ」


「女の子にくっつかれて鼻の下伸ばしながら、訳の分からない事言わないでよ!! 今雷也がすっごい頑張ってるんだから!」


 ……すぐには雷也の所に行きづらい。


 しかし……さすがはスウィートルーム。