「ああ、龍一君か。着いたんだね。気づかなくてごめんね」
「どうも、石井先生。ご無沙汰しています。今日の深夜講習の会場はここで良いんですよね?」
「ああ、そうだよ。ちょっと君、彼は私の知り合いの息子でね、これから夜の特別授業があるんだ。
未成年だけど保護者付きなら泊まれるだろう? さっきの二人の仲間なんだよ」
「あ、お知り合いの方でしたか。すいません。問題ありませんのでご宿泊下さいませ」
「ありがとう。葵、行こう。先生、部屋に行っていますね」
葵が少しだけ意地悪な目をしてオレに笑い掛けた。
オレも歯を見せて笑い返してやる。
愛梨にしては珍しく機転が利いていた。
雷也の差し金かもしれないが、オレ達未成年がこういう高級ホテルに夜の時間帯で泊まれるわけはない。
──『携帯の出会い系サイト』
愛梨が適当に声をかけて捕まえた親父だとメッセージが届いたんだ。
なんでも競馬で負けたから金が無くて助けて欲しいとかなんとか。
たまたま検索をしたら、神田に居たから引っ掛けたそうだ。
あのおっさんは、金で買った──『偽造年齢認証』
オレ達はこうして、大人の黒い部分を知っていくのだろう。
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愛梨にしては珍しく機転が利いていた。
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なんでも競馬で負けたから金が無くて助けて欲しいとかなんとか。
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オレ達はこうして、大人の黒い部分を知っていくのだろう。
