モバイバル・コード

 オレは神田駅北口方面に歩いていった。


 携帯ゲームなどはやらないが、別にゲームに興味がないわけではなかった。


 給料日になればUFOキャッチャーの1回や2回くらいはたしなむ。


 高架下にある古びたゲームセンターに入ると、店内には所狭しとゲーム機が置いてあった。


 神田の本屋で買い物に来た時、たまに立ち入る店だ。


 さっきの事もあり、むしゃくしゃする。いつもは一風変わった景品を取ろうとするのだが、今日はそんな気分ではない。


──『ブブブーン』


 高架下なのに、携帯の電波が届くのか?


 誰からのメッセージか確認しないとな。だけど、さっきの一件からして愛梨だろうな。


 見たくもない画面を見つめた。


──【メ ッ セ ー ジ】──
■AoI_82より■

【もう海外についてるのかな?

龍一の携帯は世界携帯だったし、モバイバル経由のメッセージだとインターネットで送受信になるから電波があれば使えると思うんだけどな。龍一、わたし寂しい。。。】
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──直球9割、恋心1割


 オレの心にガツンと届いた。


 UFOキャッチャーなんてやっている場合じゃない、とっさにオレは返信をした。


【海 外は 延び期 になった、国内旅行にあしたいく】


 すぐに打ち込む。1秒でも早く。

 
 前に比べたら大幅に打つ速度があがった気がする。葵が文字の打ち方を教えてくれたおかげだな。