モバイバル・コード

 あの時、すぐに携帯電話のタイマーが発動して、文章の意味まで考えてはいなかった。


 この文章、ガシャポンの中に『QRコード』があるなんて一言も書いていない。


 もちろん、実際にはガシャポンの中に『QRコード』はあった。


 オレは手に取り、中に入っているコードを読み込んだから……この豪華なソファに座る事が出来ている。


「あたしも分かったよ……あたしが分かるなら鋭い龍ちゃんと頭のいい雷也なら……分かったよね……」

 
 オレは何も話さない……。いや、話せない。


「正直、気づいて欲しかった。龍ちゃんには……。だって、順位が次のゲームに大きく響くはずなんだ。僕達はきっと不利になる」



 雷也が……いつもは失敗をしても責めない雷也が責めた。


 もう一度メッセージを読んでみた。


 『前半の3行』と『後半の2行』は全く話がリンクしていない。

 
 オレが勝手に、ガシャポンの中に記載された紙があると想像していただけだ。


 何より、これは携帯電話の『メッセージ』だから混乱させられた。


 くだらない『トリック』だ。



 今から生死を賭けた『本戦』が始まる状況で、こちらは真剣に画面を見ている。そこに差し込まれたかのようなルールの説明。

 
 普通のゲームなら違う。


 事前にしっかり説明をしてから、それからプレイヤーに参加してもらう。


 焦った人の盲点をつくような、汚い罠。