モバイバル・コード

「いい加減にしてよ、龍ちゃん」


 雷也の目の色が変わった。


「一つだけ、言わせて欲しい。……予定と変わってしまったからね。ただ、龍ちゃんにはしっかりと愛梨とのことを考えて欲しい。今はそれしか言えない。時期がくれば話すよ」


 親友の言葉に胸が苦しくなる。


 多分、言葉に表せばすぐに終わる話だろうけど、今その言葉を出すのはまずい。


「ごめんね、龍ちゃん。あたしのせいで……」

 
「……何を謝る必要があるんだよ。まぁ、全ては生き残ってから考えよう。つかの間の休息だから今は頭を空っぽにした方がいい」



 オレの言葉に愛梨が頷(うなづ)いた瞬間。


──『ブルルルルル』

──『ピピピピピピピ』



──『振動』


 3人同時に携帯に触れる。


 安堵の時は……もう終わったのか。