モバイバル・コード

 雷也がひとしきり説明をするとオレ達も円状のテーブルに座らされる。


「ええっと……これって高いお店だよね…?」


「これが安かったら、毎日オレは食べに来るね」


「二人共さ、田舎者みたいだよ」


 雷也はケラケラと笑いながら、店員が持ってきたミネラルウォーターのボトルを受取った。


「あーまさか、まさかだけどその水もお金かかってるんでしょ?」


 オレだってそれくらいは知ってる。


「チャージ料金だけでここ、1万円かかるみたいだよ」


「ええっ!! 1万円も!?」


 愛梨のオーバーリアクションが普通で、900万も持っているので、金銭感覚が狂ってるんだろう。


 雷也が涼しげにいう所を見ると、こういう店に来た事はありそうだ。


 あまり家庭の事情は話さないが、親が医者なら尋ねることも多いはず。


 これで2億なんてもらったらどうなるんだ?


「静かに! こういう所は騒いだらダメだよ。僕がどうしてここに来たかったか分かる?」


「『来たかったか分かる』って、なんでオレが雷也に店の場所を決めて欲しいっていうと思ったんだ?」