モバイバル・コード

「そんなにどうしたんだ? 何を買ってきたんだよ?」


「後で見せるよ、とりあえずお腹空かない?僕何も食べてないんだけど、もしかして二人は食べてきちゃった?」


「大丈夫、パスタとピザを食べたけどまだ入るよ。雷也は何が食べたいんだ?」


 雷也は少し辺りを見回した。

 
 見回すといっても、高架下のパチンコ店や飲み屋ばかりでオレ達が入るような大衆レストランは無い。


「今は僕らさ、お金持ちだしちょっと大人のお店にしようよ」


 雷也にしては珍しい事を言う。


 家は医者の家系だし、端整な顔立ちは上流階級のお坊ちゃまだ。


 だが、オレと同じ定食系が好きだったりラーメンが好きだったり、至って普通の食べ物が好きなのだ。


 大人のお店と言って雷也は携帯電話で検索をし始めた。


 そうか、『飲食店のブログ』とかそういうのあるんだっけ。


「雷也、荷物一つ持ってやるよ」


「ありがと。ねぇ愛梨はお肉とお魚どっちが食べたい?」


 愛梨は両手を後ろ手に組み、高架下のトンネルに背をかけている。


 オレ達が居なかったらすぐに変なおっさんが寄ってきそうだ。


「うーん、今日の気分はお肉かなっ!」


「OK、じゃあ行こう」


 雷也に先導されてオレ達は神田の高架下をくぐり東口へ向かう。