ほっぺたに熱い感触を感じた。


 店員さんも驚いたが、何かを察して微笑んだ。


「ああっと、コーラで。それとスパゲティのナポリタンとミートソース二つ」


「ううん、あたしはピザがいいな。マルゲリータ一つ下さい」


 愛梨は意地悪な笑い方をした。

 
 その瞬間、一気に事の意味を知って身体が熱くなる。


 葵の時と同じ、頭が痺れる間隔に襲われた。


 昨日、今日だけで何回キスされたんだ。


 オレ達がぎこちないくっつき方をして10分程。


 店員さんが料理を運んできた。



「一応……聞くけど、お前と雷也は付き合ってるんだよな……?」


「うん、そういう事になってる、あーむっ。美味しいっ!」



 美味しそうにピザを食べる愛梨の顔を見ていると、一気に異性としての意識を取り戻す。



「なってるってなんだよ。いい加減にしてくれ、お前は二股をする女じゃないだろ?」


「しないよ、あたし昔から一途だもん」



 支離滅裂(しりめつれつ)な解答に、何を質問すればいいのやら。


──『カランカラン』