モバイバル・コード

 灰色のジャングルでキョロキョロと当たりを見まわす。


「ここら辺で高いビルは……あった」


 あれだ、都庁の隣にあるビル。


 オフィスビルのようだが、オレの格好でも中に入れるのか少し不安になった。

 
 最悪、フリーランスの小説家で打ち合わせに来ました、とか言っておけばいいだろう。


 今は行動しなければ話にならないんだ。


 オレはエレベーターのボタンを押して、もちろん最上階を押した。


──『チンッ』


 すれ違う時に出てくるスーツ姿のサラリーマン3人にジロりと見られる。


 そして、オレはもう『接続』をしていた。


 自分でも大した進歩だと、自画自賛したい気持ちだ。


──『地図アプリ』


 雷也から教わった地図のアプリを立ち上げ、今の場所を確認する。この場所を『Aビル』としよう。


──『カシャッ』


 これが『画面メモ』機能だ。よし、これでこの場所は覚えられる。


 2連続で使う携帯電話の高機能に、オレは一人酔いしれる。


 携帯天使様、ご教授ありがとうございます。



──『チンッ』


 
 着いた、最上階だ。