モバイバル・コード

【もっとして欲しい……けど龍一が辛そうだから今日は……わたしも我慢するね?】



「ごめん。オレもいくじなしだから、怖いんだ。シャワー浴びてくる」



 立ち上がり、脱衣所で服を脱ぎ鏡で自分の顔を見た。



 酷く疲れている、喜怒哀楽がいっぺんに襲ってきているこの2日間だ。


 
 シャワーを浴びてタオルで身体を拭く。ガウンなんて着た事ないけど多分これでいいんだろう。


 
 部屋に戻ると葵が白い携帯電話でメールをしていた。



「2台持ってるのか?」



【うん、ゲームとかする時に2台あると便利なんだな。】



 得意げな顔をしているところを見ると、本当に携帯のゲームが好きなんだな。



「葵も入って来いよ、覗かないから大丈夫」



 タオルで髪を拭いていると目の前に文字が。



【龍一なら……入って来ていいよ。】



 オレが苦笑いをすると葵は頬を膨らます。だから、今日は無理だって。



──『トトトッ』



 葵は洗面所へ小走りに消えていった。



 はぁ…心臓の鼓動が止まらない。



 この鼓動は葵に対してのドキドキと、生死を賭けた戦いの両方の意味だろう。 



 もう6時間後には始まる本戦だって、オレにはどういうゲームなのかすら分からない。