モバイバル・コード

 何を飲むのか尋ねなかったのは、オレのイメージ通りだとオレンジジュースが似合うからだ。


 葵はペットボトルのふたを力いっぱい入れて開けた。


 オレもゲップが出るのを覚悟の上でコーラを一気に流し込んだ。ドキドキ連発で喉はカラカラ。


「あーうまいなー! やばっ、もう2時半を過ぎてる……寝ないと」


 
【お風呂、一緒に入る?】



 一緒に入る、と思わず頷いてしまいそうになる。また血圧が上がってきたのが分かった。


「あ、葵、ちょっと触ってみてくれ」


 オレはパーカーを脱いでロングTシャツ1枚になる。


 オレは葵の手を掴んで、左胸へと持っていく。


「お前と会ってから、ずっと心臓が壊れそうなんだ。どうしてこんなにドキドキするのか葵に教えて欲しい」


 どうしてもペースに振り回されるのが嫌なんだ。


 葵はオレの言葉を聞いて、少し大人な笑顔を見せた。



「りゅう、いち…」

 
 葵は少し身体をひねり、オレに背を預ける。


 白く細い右手がオレの左手を天使の鼓動へと近づけた。