モバイバル・コード

【ううん、もう家の鍵とか締められてる。たまに抜け出してはお説教されるんだな。

今日もいつもの事だってお父さんもお母さんも思ってる。それに……龍一は明日からしばらく出かけるんでしょ?わたし、さみしいな。】


 今日だけで何回目かの上目遣い。


 正直、いつまでも持ちこたえられるかオレが自分自身に尋ねたい。


「そうは言ってもよ、いきなり……オレ達付き合ってもいないのにホテルはまずいだろ、お前ここは何する所かわかってるのか…?」


 葵はコクンと頷いた。 



【キスするところ】



 違う。そうじゃない。


「キスをしたらお前が穢(けが)れてしまう所だ……そういうのは無しだからな。いいさ、オレも話しがあるし疲れた。寝るだけならいいぞ」


 
 このまま年下に振り回されては……男のメンツがない。


 オレは葵の手を引っ張り中に入る、少しだけ葵が驚いた。



──『ウィーン』


 自動ドアが開き、オレ達を迎え入れた。


 ラブホテルなんて入ったことなんてもちろん無いし、なぜ入り口に変な女神像の噴水があるのか意味が分からない。