モバイバル・コード

「また負けたー! 葵ちゃん上手だね、初めてなのにここまで長持ちするのは凄いよ」


 勝負は愛梨が負けているらしい。そろそろ時間だ。明日の事もある、帰らなければ。


「なぁ、そろそろ行こうか。もう深夜2時だ。オレ達は明日の朝9時前には出発しないと。愛梨は雷也の家に泊まっていくか?」


「いや、今日はみんな一度家に帰ろう。疲れが溜まっているからね。今から寝たら6時間は眠れるから、なんとか明日は身体が動くと思う」


 雷也の言うとおりだ。実際、慶兄の動画を見てからずっと起きっぱなしなんだ。

 
 緊張して身体が動いてはいるが、くたくたなのは間違いない。


「そうだね。でもあたしは……三人で居たいよ。龍ちゃんは?」


「葵、葵はどうするんだ? 今2時だけどタクシーで帰れるか?」



【うん、大丈夫】



「そうだな、愛梨の言う事も分かるけど…今日は帰ろう。寝不足が一番の敵だ。葵、駅まで送っていくよ」


「じゃああたしも行く!帰りの方角一緒だから!!」


 愛梨の真剣な瞳。こうなったら意地でも意見は曲げないだろう。


 少しだけ、寂しい。


「あっ! 愛梨、ちょっと部屋に来てくれないか?話があるんだ。どうしても、今日したい話だ」


 雷也が差し込んできた。まさか、さっきの『手伝うよ』ってこのことか?