モバイバル・コード

 雷也は少しだけため息をついた。


「お前こそ愛梨とどうなんだよ。付き合ってもう少しで2週間になるのに何もしてないみたいだし。そもそも愛梨はまだオレに絡んでくるけど、ちゃんと面倒見ないとダメだろ」


「もちろん、面倒は見るよ。でも今はそういう時じゃない、もう少しゆっくりと……ね」


「そうか、それならいい。愛梨を幸せにしてやってな。まぁ生きて帰れたら、だけどな」


「今日のあの死闘を繰り広げてた龍ちゃん、カッコ良かったよ。愛梨なんて目をキラキラして見てた」



 今はそういう気分じゃない。



「結局負けたらざまぁないよ。ははは、じゃあ戻るか」


 オレは空笑いをして、意識的に会話を切った。


「いいよ、手伝ってみるよ。龍ちゃんがここまで楽しそうなの、久しぶりに見たから」


「何のことだ?」


 雷也も疲れている様子だが、無理に笑顔を作った。


「まぁ見てて」


 雷也は一見して周りには興味が無い様な態度をとっている。だが、それが嘘である事はオレと愛梨しか知らないだろう。


 高校でもクールキャラを演じて、興味がないフリをしているがなかなか情に熱い所あった。オレはそんな雷也だからいつでも本音で接する事が出来るんだ。


「戻ろうぜ」